こんにちは。
京都大学経営管理大学院生のヒカリです。
突然ですが、
日本のサービス産業の労働生産性が
欧米に比べて低いというデータがあります。
2016年度に公益財団法人日本生産性本部から
発表された日米産業別労働生産性水準比較には
サービス産業をみると、
運輸 (44.3%)や卸売・小売業(38.4%)、
飲食宿泊(34.0%)などの主要分野で
格差が依然として 大きい。
と、サービス産業における労働生産性が
アメリカの半分以下であることが記されていました。
そもそも労働生産性とはなんだ、と言うと
労働者1人あたりが生み出す付加価値を示す指標です。
労働生産性が低いと今後労働者が減っていく中で
今の経済力を維持できなくなってしまうので、
政府も生産性向上の対策に乗り出していて、
中小サービス事業者の生産性向上を支援する基盤を
平成29年度中に構築する方針を固めています。
このように日本のおもてなしについて
見直そうという動きが色々あるのですが、
すでにおもてなしを極めることで
ガッポリ稼いでいる人たちもいることを
忘れてはいけません。
そう、「ホスト」の方々です。
もちろん全てのホスト従業員が
高い労働生産性を誇っているわけではありません。
しかし、No.1ホストの中には
数時間の労働で数百万円もの
大金を稼ぎ出している人もいます。
No.1ホストから学ぶことで、
サービス業の労働生産性向上のための示唆が
得られるのではないかと僕は考えたのです。
そんなわけで、大阪難波のホストクラブATOMさんに
お邪魔してお話を聞いてきました。
[ATOM本店HP]
お相手して下さったのは
クラブATOMプロデューサーの城山想さんです。
ヒカリ
「今日は宜しくお願いします。」
想
「こちらこそ宜しくお願いします。
なんでも聞いてくださいね。」
ヒカリ
「では早速よろしいですか。
そもそも女の子がホストに来る目的って何でしょう。」
想
「これは本当に色々です。
お酒を飲んで騒ぎたいお客様もいれば、
好きなホストを応援したいお客様もいるし、
純粋に相談を聞いて欲しいお客様もいます。」
ヒカリ
「なるほど。ちなみにその中だと
どのお客さんの割合が一番高いですか。」
想
「割合はホストにもよりますけど、
一番売上に貢献してくれているのは、
好きなホストを応援したいお客様だと思います。」
ヒカリ
「そうなんですね。
好きなホストを応援したい子は、
どうしてホストに大金を払ってまで
応援するんだと思いますか。」
想
「うーん。これもさっき言ったように、
ホストの楽しみ方は本当に人それぞれで、
一概には言えないんですよね。
ただ、どんなお客様にも共通して言えるのは
日常では味わえない体験を求めていることと、
お互いに信頼関係が無いと
大金は使わないということですかね。」
ヒカリ
「なるほど。では想さんは
どのようにNo.1にまで登りつめたのでしょう。」
想
「僕が心がけていたのは、
お客様のペースに合わせて接客することと、
非日常を体験してもらうことの2点でした。
お客様のペースに合わせて接客するというのは、
お客様の言いなりになるという意味じゃなくて、
お客様が求めるものを理解して
適切な距離感で付き合うという意味です。
例えばホストクラブに来るお客様の中には
他店のホストクラブで遊んでいる方もいます。
そんなお客様には、他店のホストとの
関係について気軽に相談できるような
間柄なってあげた方が喜ばれますよね。
そんなお客様を強引に自分の元へ
引き込もうとしても不信感を抱かれるだけです。
そうやって適切な距離で付き合い、
お互いに信頼関係を構築していくことで
お客様と長いお付き合いができます。
あと非日常というのは、
お客様は高いお金を払ってホストクラブに
遊びに来てくれているわけです。
普通の男性が日常的に
しているようなサービスでは、
ホストに来た意味がありません。
『ここまでやるか』という次元の
サービスを徹底することや、
ホストクラブでしか味わえないサービスで何が出来るか
ということは常に問い続けています。
今でも挑戦と失敗の繰り返しですけどね。」
ヒカリ
「非日常体験って具体的にどんなのですか?」
想
「それは僕と姫だけの秘密ですよ。
いろんなタイプのホストが
いろんな方法で楽しませてくれるので
非日常体験を味わいたい方は是非
Club ATOMにお越しください。(笑)」
ヒカリ
「…かっこいい。つまり、
お客さんに合わせて臨機応変に接客しつつ、
飽きられないように非日常的な世界観を
演出し続けたことによって、お客様が
長期的に応援してくれるようになり、
No.1になったということですか。」
想
「その通りです。逆にダメなホストは
一辺倒な接客スタイルで刺激もなく、
お客様と信頼関係を築く前に無理に
高額なボトルをおねだりしたりする人もいます。
そんなホストはお客様もすぐに離れてしまいます。」
ヒカリ
「そうなんですね。ちなみに
高額ボトルっていくらぐらいするんですか?」
想
「一番高いリシャールというボトルが
だいたい250万円くらいですね。」
ヒカリ
「250万円!?」
想
「はい、めっちゃ高いですよね。
でもホストクラブの世界では
ホストにとってもお客様にとっても
リシャールはステータスなんです。
リシャールが飲めたら一流の証です。」
ヒカリ
「なるほど…。一流の証か…。
是非とも飲んでみたいものです。
想さん、リシャール奢ってください。」
想
「…え?」
ヒカリ
「想さん、僕リシャール飲んでみたいんです。
お金は無いですけど、やる気だけはあります。」
想
「急にどうしました?
やる気だけ持たれても困ります。(ドン引き)」
ヒカリ
「先っちょだけでもお願いします。」
想
「…まぁせっかく取材に来てくださったので
今回だけ特別に試飲していいでしょう。
せっかくだから高級ブランデー
何種類か試飲してみますか。」
ヒカリ
「わーい。よっ!プロデューサー!」
そんなわけで急遽、
高額ボトルの試飲を
させていただけることになりました。
写真左から
ロイヤルバカラ 約150万円
ルイ13世 約200万円
リシャール 約250万円
です。
まずは150万円のロイヤルバカラから。
大人の味です。
次に200万円のルイ十三世。
大人の味でしたね。
最後に250万円のリシャール。
うん、やっぱり大人の味でした。
ヒカリ
「すごい経験させていただきました。
ありがとうございました。
ちなみに正規の値段で頼んでいたら
いくらだったんですか。」
想
「そうですね。だいたい600万円です。」
結論
ヒカリ
「正直、まだ僕には
リシャールの味は早かったかもしれません。
他の高級ブランデーと比べても
味の違いがわかりませんでした。」
想
「やっぱり違いの分かる一流の人にしか
わからないのかも知れません、リシャールって。」
ヒカリ
「流石No.1ホストの想さんですね。
では想さん、利き酒してみましょうか。」
想
「のぞむところです。」
想
「絶対リシャール!」